スポーツ疾患

スポーツ貧血

当院では、血液データの解析をもとに、小学生から社会人まで幅広く、治療および、アドバイスを行なっております。

スポーツをする人は、男女を問わず貧血になりやすい。

理由は大きく4つあります。

第1の理由として、スポーツをする人は筋肉量が多いことが挙げられます。

筋肉は、多くの酸素を消費します。その酸素を運ぶのがヘモグロビンであり、必要となる時まで貯蔵しておく のが、筋肉細胞に存在するミオグロビンです。

どちらも主成分は鉄なのです。そのため、一般 人に比べて筋肉量が多いスポーツ選手は、より多くの鉄が必要となり、鉄不足に陥りやすく、結果として貧血になります。

第2の理由は発汗です。

激しい運動をすると、急激に大量の汗をかいてしまいます。エクリン腺と呼ばれる汗腺から出てくる汗には、鉄をはじめ、ナトリウムやカリウム、マグネシウムなど多くのミネラルが含まれます。

このエクリン腺には、汗として分泌されるまでの間の導管の部分に、ミネラルを再吸収する機構が備わっており、我々にとって大切なミネラルを、できるだけ体外に出さないように調整していますが、急激に激しい運動をすると、汗の再吸収機構は追いつかなくなり鉄をはじめミネラルは体外へと失われてしまうのです。

第3の理由は赤血球の破壊です。

運動による衝撃で、赤血球が破れてしまうことがあります。この現象は、特に、剣道やバスケットボール、マラソンや長距離走と言ったスポーツで起こりやすく、このような競技を行ったあと、赤い尿が出ることがあります。

「血尿が出ました。腎臓が悪いのでしょうか」と当院を受診する方もいますが、腎臓病による血尿と違い、運動に伴う赤色尿は、貧血を起こさない程度であれば通常は問題ありません。

第4の理由は消化管出血です。

特に耐久性を要求される長距離走やマラソンといった運動をしている間、我々の体内では、筋肉や皮膚への血流が増加する一方で、消化管への血流が減少します。
その結果、消化管の上皮細胞は酸素や代謝基質を受け取ることができず、壊死や粘膜の出血を引き起こすのです。

どれくらい出血するのかというと、フルマラソンの試合の後の便約 1g 中に、ヘモグロビンが約 4.0mgも含まれていたという報告があります。1 回の便の排泄量が 200gとすると、フルマラソンを走った時ヘモグロビンが0.8g も失われてしまうことになります。
体重 40 キロの女性の場合、体内のヘモグロビンは 350~400g 程度 なので長距離走を繰り返すアスリートは貧血になりやすいのです。

運動時のスネ痛み (シンスプリント)

原因は使いすぎ――運動のストレス――からきます。足を下ろすたびに、後脛骨筋が緊張して足のアーチを支えますが、2キロ走るのに、毎分50~70回も各足のこの筋肉にストレスをかけているのです。
特に偏平足(極端な回内)の人の場合、後脛骨筋腱が、よく発達した足のアーチの人の場合よりも激しく働かなければなりません。偏平足である事は、走ったり 運動するたびに後脛骨筋腱を絶えず引っ張ってしまうことになるのです。 シンスプリントによる痛みは、初期の段階では運動を中止してから2~3時間後に始 まります。この痛みは、筋線維の断裂から生じる鈍い痛みで、症状が進むと運動を再開するとすぐに痛みが始まるようになります

膝の痛み

靭帯、半月板損傷といった外傷のほかに、バスケットボールやバレーボール、バトミントンなどの一定の高さを頻繁に越えて攻撃する必要がある球技やハードル走 などのジャンプ動作を行う「ジャンパー膝」、サッカーやバスケットボールなどのスポーツに取り組む中学・高校生に多く見られる「オスグッド病」といった使 いすぎによる障害も数多く発生しています。こうした障害は障害部位を長期間休めることによって改善することが多いのですが、たいていのスポ-ツ選手におい ては、そういった長期間にわたる競技からの離脱は選手生命に関わる大問題となります。